差別対価とは(独禁法2条9項2号、一般指定3項)

事業者が競争者を排除するために、正当な理由なく、特定の地域や相手方において差別的な対価(安価)で商品や役務を供給すること。

どの程度の「差」があれば差別対価となるのか

①「略奪廉売型」
競合他社の特定の事業者だけをターゲットとして、意図的な値引きによる競合他社の事業の継続を困難にする。

②「準取引拒絶型」
取引の相手方に不当に高く売ることにより、相手方の事業を意図的に困難にする

③「手段としての差別対価」
再販売価格の拘束など、独禁法上の目的を達成するために特定の取引の相手がただけ卸し値を上げる、価格を維持するための手段など

具体的な相談事例

1)独禁法上問題とならなかった事例

化学品メーカーA社の卸売業者に対する仕切価格の差の設定

https://www.jftc.go.jp/dk/soudanjirei/h13/h12nenmokuji/h12nen01.html
       
    (公正取引委員会 差別対価の相談事例から抜粋)

A社は、化学品の甲という製品市場で有力なメーカーであるが、「他にも有力なメーカーが複数存在」する。

甲という製品は、メーカーから卸売業者を通じてユーザーに販売されており、昨今、「ユーザーからの値引要請」が強まってきていた。

A社製の取引先の卸売業者も、ある程度は「ユーザーからの値引要請に応じざるを得ない」が、現在の仕切価格(卸売業者への販売価格)のままでは値引要請に対応し得なくなってきている。

A社では、これまで「仕切価格を一本」とし,事後値引きは一切行わないこととしてきたが、他メーカーと競合する一部の製品について、「品目ごとに仕切価格の修正(品目により一律に1~3%引き)」を行うこと、当該卸売業者における「メーカー別購入額順位の上位10位以内にA社が入る」に限定することを検討していた。

これに対して公取委は独占禁止法上問題にならない、としました。

(1) 事業者が自社の商品や仕切り価格をどのように設定するか
本来自由であり、「取引先によって価格差が存在すること」自体は、直ちに違法となるものではない。

但し、意図的な自己の「競争者の事業活動を困難にさせる行為」「取引先の相手方を競争上著しく有利又は不利にさせる」おそれがあるなどの、不当な目的を達成するための手段として用いられる場合、「不公正な取引方法」に該当し違法となる可能性があります。

(2) A社の仕切価格の修正がA社の競争者や卸売業者に与える影響がどの程度あるか

・甲という製品市場において、A社のほかにも「複数の有力なメーカーが存在する」
・仕切価格の修正は、「品目により一律1~3%引きにとどまり」、数量・価格などが増加するにつれて、それに対する比率が変わることがない
・A社製甲製品の「購入額が上位10位以内に入ればよい」というのみ

これらの理由からA社の
「競争者や卸売業者に与える影響は小さい」
と考えられ、独占禁止法上問題となるものではないと判断された事例です。

注意すべきポイント

仕切価格の修正が、A社による卸売業者のユーザーへの納入価格への関与をもたらし、「納入価格の拘束の手段」として用いられる場合、独占禁止法上問題となります。

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