コンビ社 独占禁止法違反(安売り業者排除)による排除措置命令

公正取引委員会は、令和元年7月24日付でベビー用品最大手のコンビ株式会社に対し、独占禁止法違反に基づく排除措置命令を行いました。

コンビはどのようなことをしたのか、なぜ独占禁止法に抵触してしまったのかについて解説します。

違反行為の概要

コンビは「ホワイトレーベル」という高級自社ブランドベビーカー製品の販売に際し、遅くとも平成27年1月ごろから、「コンビ自らまたは取引先卸売業者を通じて、提案売価で販売する旨に同意した小売業者にのみ販売する」ことにより、小売業者にホワイトレーベル商品を提案売価で販売するようにさせていました。

独占禁止法の規制内容

メーカーが小売業者の販売価格を一方的に決定し、拘束してしまうことは、「小売業者同士の価格競争を衰退もしくは消滅させ、公正な競争に基づく経済の発展が阻害される恐れがある」ため、独占禁止法の規制対象となっています。

拘束の類型は様々なものがガイドライン上に例示されており、この価格で販売せよ、と取り決めてしまう「直接的拘束」と、価格調整に従わない場合に経済的不利益を課す、あるいは経済的利益を与えるといった「間接的拘束」に分かれます。

直接的拘束の例 間接的拘束の例
文書や口頭による取り決め 出荷量の削減
同意書の提出強制 出荷価格の引き上げ
価格調整に従うことを取引の条件にする リベートの削減
買い戻しを取引の条件にする リベートの供与

上記の例に該当してしまうような、小売業者の販売価格の決定に拘束力を持つ行為は原則違法となります。(アップリカ社のケースと同様)

独占禁止法で禁止されていないこと

逆に言えば、「拘束力を持たない行為は違法では無く」、小売業者に希望小売価格を単に通知すること、すなわち「価格調整のお願いやアドバイス」をすることや、「流通価格を調査する」こと、適切な販売方法確保のために流通業者や小売業者を選択することなどは問題ありません。

独占禁止法で禁止されていないこと注意点
販売価格の通知指定価格で販売させることへの実効性が認められると違法
流通価格の調査調査結果を用いて価格拘束すると違法
選択的流通安売り業者排除が目的と判断されると違法
小売業者の販売方法に関する制限安売り業者排除が目的と判断されると違法

コンビの違反理由

コンビはメーカーとして、ホワイトレーベルという高価格帯のブランド商品のみ指定した提案売価で販売することを取引の条件としていたので、直接的拘束の例にあたる

価格調整に従うことを取引の条件にする」

に該当しています。

「小売業者の販売価格に拘束力を持つ行為」であったことは明らかであり、独占禁止法に違反しています。
また、本件事案では、「Kガイドライン」(K=価格)を社員に共有し、周知徹底させていたことも問題であったと考えられます。

公正取引委員会の公開資料から抜粋
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jul/sanjo/190724_02sankou1.pdf

おわりに

恐らく今回は、

「平成30年4月に公正取引委員会から立ち入り調査から同年12月まで再販売価格の拘束を続けていた」(継続的な拘束行為の実態)

「ホワイトレーベルというブランド価値の高い商品」

(取り扱うのが悲願と小売店から呼ばれるほど、値下げしづらい)

「Kガイドライン」(K=価格)とされるエビデンス(証拠)

が大きな証拠となり、排除措置を命じられる1つの要因となったのではと考えられます。

立ち入り調査や警告があった場合は、呼び出しや排除措置命令などの課徴金が課される前に違法行為を直ちに取り止めるよう注意するべきでしょう。

大手ベビー用品メーカーのアップリカも公正取引委員会から排除措置命令を受けています。

アップリカは、
提案売価で販売するよう小売業者に要請し、要請に従わない場合出荷停止する」
ことで、要請に従わせていました。

コンビとの違いは
「提案売価で販売することを取引の条件としていた」

点に違いが見受けられます。

再販売価格の拘束に関しては、

小売の流通価格を調査すること
「小売に提案売価を通知すること」

は問題ありませんが、これらを通じて、

出荷停止などの強制力をもつ手段

を以って価格調整に従わせてしまうと違法となります。
詳しくはガイドラインもしくはこちらの記事をご覧ください。

本件の影響としては、同年度1月以降に違反行為がなくなった一部の商品で「20%値下がりした」という情報もあり、今回の行為によって、「小売業者間の価格競争が消滅し、価格が高止まりしていた」という独禁法上の証拠となりうる事例となってしまったのは、コンビ社を愛用していたユーザーの1人としても遺憾である。

EC市場においては、独禁法の具体的な事例も少ない中でも、適切なブランド価値の維持する関係性を保つことも重要な要因だと思います。

本件について公正取引委員会が公開している記事はこちら

  

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