独占禁止法におけるリベートの考え方

独禁法上で留意すべきリベート対策とは

独占禁止法における基本的なリベートの考え方

公正取引委員会が公表しているリベートの供与の考え方は以下とされています。

取引先事業者に対するリベート(一般的には「※1)仕切り価格」)を指す

仕切り価格の修正、販売促進目的としたものなど様々な目的のために支払われており、価格形成の促進する側面からリベートの供与自体が独占禁止法上の問題となるものではない、とされています。

※1)区別された取引先の条件、個別取引ごとに支払われるもの

  

会計上のリベートの考え方

販売奨励金と売上割り戻しの2つがあるとされています

1)売上割戻し

事業者がその取引先に対して、「売上高や売掛金の回収高に比例又は売上高の一定額ごと」に、「売上代金を返戻する(いわゆる値引き・リベート)」する(交際費には該当しない)

取引先の営業エリアの特殊事情、協力度合い等に応じた金額を支出する費用も売上割戻しとして認められます。

2)販売奨励金

流通対策費(販売促進費)とされており、主に「自社製品等の販売促進を目的」として行われるもので、特に「支払い基準が定まってない」幅広いケースで利用されています。(交通費には該当しない)

例として、
特約店等の取引先の従業者に対し、販売目標を達成した場合に交付する旅行クーポン券、現金等はは販売促進費として認められる」とされています。(但し源泉徴収の対象となる)

  

販売促進費の様々なリベート例

メーカーと取引先の流通事業者(主に卸売、小売店)との取引条件として、仕切価格とは別にリベートを提供するケースが実態として複数あると考えられています。

 1)仕切り価格は下げられない、その代わりに取引高に応じた条件にする
 2)年間販売数量の達成状況、特定の注力商品の重点販売を特別条件にする
 3)指定するツール、システムの利用による取引を条件にする
 4)返品率を○○%に抑えることを条件とする
 5)新商品の販売促進のためにブース設置等の棚割りを優先的に確保することを条件とする
 6)来店したお客様に対する適切な商品説明のための教育を条件とする

など数多くの取引条件で行われていると考えられています。

  

具体的な対策事例

リベートの供与自体が問題になるケースは殆どないと考えられますが、再販売価格の拘束の可能性があるリベートを条件にすることは、独禁法上の問題となる可能性が高いため注意が必要です。

1)問題となるリベートの条件とは

直接的な違反行為の例として、

「この価格以上で販売してくれたらリベートを払います」
「約束を破ったらリベートカットor商品を卸しません」

「指定エリア、流通先に限定して販売すればリベート払います」

などが考えられます。

2)問題とならなかったリベート条件の事例

福祉用具メーカーによる店舗販売業者のみに対するリベートの供与

市場において有力な福祉用具メーカーが販売するに当たって、インターネット販売業者は対象とせず、店舗販売業者にのみリベートを供与することが、独禁法上問題にならない、と認められていたケースです。
  

前提となる条件

1)福祉用具メーカーシェア約30%(第1位)を占めており、小売業者(店舗販売業者、インターネット販売業者)を通じて一般販売している
2)福祉用具Aの販売価格は、店舗販売事業者よりもインターネット販売業者の方が1割ほど安い
3)当該商品は「身体に装着して利用する」ものであり、消費者の個体差や症状によっての効能の違いにより複数販売されている。
  

インターネット販売における課題

1)販売員が商品の効能に関する適切な説明ができない
2)効能ごとに必要な種類の商品の在庫が確保されておらず販売ロスが大きい
  

店舗販売業者に対するリベートの条件

1)来店した一般消費者に「直接適切な商品説明を行うための教育」を行う
2)「種類ごとに一定の在庫数を常時確保」する
  

正当な理由

1)店舗販売において、「一般消費者に対する適切な商品説明をするための販売コストを支援する」のが目的であること
2)インターネット事業者の「卸売価格を引き上げるものではない」こと

 

まとめ

繰り返しになりますが、「各取引先の流通業者ごとの差別化による事業活動の制限(再販売価格の拘束、経済的な不利益など)」することがなければ、「一般消費者の保護の観点」「販促における合理的な理由」などにより、リベートの供与は問題とならないケースが多くあります。

選択的流通の対策を考える際も同様の考え方が必要となりますので、独占禁止法の基本的な知識を身に付けつつ、自社製品にあった流通対策を行うことを推奨しております。

  

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